ワタシの趣味は自転車だ。
自転車と言ってもママチャリではない。
ロードバイク。そう、あの、ハンドルがぐにょーんと曲がっていて、タイヤが細い自転車。
それまではヤフオクで購入した中古のロードバイク、お値段3万円。
それでもママチャリ3台分くらいの値段だ。当時はこれでも勇気がいる値段だった。
この中古バイクももう1年乗って、自転車サークルにも入った。
サークルでは速い人たちはみなウン十万の高級バイクに乗っている。
カーボン製で軽くて、速いらしい。いいな、いいなと思いながらも
指をくわえて見ていた。

なぜならワタシはニートだからだ。
しかもアルバイトすらしてないニート。
親には「無職のウ○コ製造機」というレッテルを張られ、肩身の狭い思いをしている。
ただ精神的な疾患があり、どうしても働けない・・・。

無職が出会った

とある日曜日、休日家族と買い物に出かけた際に出会ってしまったのだ。

運命の出会いとでも言うべきか。
なるしまフレンドという関東の自転車乗りには有名なお店をただブラっと覗いてみると、最後の一台、しかもサイズはばっちり。
一度試乗させてもらうともう歯止めはきかなくなかった。

カンの良い方なら既にお気づきだろう。

そうワタシは運命の高級自転車と出会ってしまったのだ!

無職がゆえの悩み・・・。お金が無い・・・。

手持ちがなかったので、クレジットカードで3万円を前金として払う。
それ以上はショッピング枠の限度額に達してしまうため使えない。
キャッシング枠は既に埋まっている。

残金は一週間後に払う約束をしてとりあえずその自転車を押さえてもらった。
家に帰ってから銀行の残高と相談。
しかし無いものは無い。
そこで親に相談した。
家を出て行けと言われた。
無理もない。
無職の息子が、高級自転車を買いたいからお金を貸せというのだ。

カードローンで50万円

ふと雑誌を読んでいた時、ある広告が目に飛び込んできた。
そうカードローンだ。

カードローンと言えば、利息が高そうなイメージを持っていたのだが、早めに返してしまえば利息はそんなに高くはならない。
引き落とし日まで銀行に現金を入れておけば、その分銀行からの利子も雀の涙の一欠片かもしれないけど、その場ですぐ現金で払うよりはマシだろう。

そして次の日、さっそくカードローンでお金を借りることにした。
無人契約機に行ってお金を借りるものとばかり思っていたが、今の時代はインターネットで全てが済むようだ。
ワタシはもっていたスマートフォンからお金を借りる契約をした。

その額50万円。

無職のワタシに50万円もの大金を貸してくれるはずがないと思っていたのだが、意外にも審査は通り、その日のうちにお金が銀行に振り込まれていた。
いわゆる即日融資というやつらしい。

そして運命の日曜日、カードローンで手に入れた現金を握りしめて念願のカーボン製高級ロードバイクを購入。
頭金入れて53万円弱のお買い物だった。
これがワタシのカードローンでの購入最高金額だ。

その後の人生

あれから3年。
あの高級ロードバイクも大分年季が入ってきた。

心配していたカードローンの返済は親が立て替えてくれた(爆)
自転車を買った1週間後、アルバイトを始めたのだが3日で辞めてしまったかだ。
やはりワタシには働くことができないらしい。

だがなんとか生活できている。
そしてまた物欲が沸々と沸き起こり、新たな獲物をあのカードローンで斬る日を着々と狙っている・・・。
次なる獲物は自動車だ。
高級車は買えないと諦めているので安めの軽自動車にしようと思っている。
ただ今回は流石に無職で借りられる金額ではないだろう。
でも無職や自営業者でも借りられるカードローンがあるらしい。
早速カードローンを申し込んでみたが審査で落とされた。
無職期間が長すぎるのがネックになったようだ。
さあ働く準備でもしよう。